YZF-R3 のカスタム記録のうち、操作系です。慣らしの途中に、そのまま公道で使えるものとして移しました。ここではブレーキとクラッチのレバーまわりを扱います。
納車時の R3 には純正レバーが付いていました。

これを、R25 で使ってきた U-KANAYA(ユーカナヤ)の可倒式Rタイプ アルミビレットレバーセットに入れ替えます。R25 と R3 は車体を共有する兄弟車なので、レバーはそのまま取り付けできます。



| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | U-KANAYA(ユーカナヤ) |
| 商品名 | 可倒式Rタイプ アルミビレットレバーセット |
| 商品番号 | YA040-082-0701-01 |
| 素材 | 6061アルミ材・硬質アルマイト処理 |
| レバー部全長 | 約175mm(アタッチメント部を含まず) |
| 調整 | 6段階(レバー先端で約30mmの調整幅) |
※ 素材・寸法・調整段数はメーカーの商品説明にもとづく。製品情報は U-KANAYA 公式サイトの可倒式Rタイプのページを参照
Rタイプの「可倒式」は、転倒でレバーに力が加わったとき、レバーが上方向へ逃げて折損を防ぐ機構です。
もうひとつが6段階の調整です。レバーの位置を近くから遠くまで、先端で約30mmの幅で動かせます。クリック感がはっきりしていて、グローブをしたままでも段が分かります。
レバーを留めるボルトも、R25 から移植しました。BIKERS(バイカーズ)のステンレスブレーキクラッチボルトで、YZF-R25/YZF-R3 用として売られているものです。


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | BIKERS(バイカーズ) |
| 商品名 | Stainless Brake-Clutch Bolt(ステンレスブレーキクラッチボルト) |
| 型番 | y0173 |
| 適合 | YZF-R25/YZF-R3 |
※ 商品情報は BIKERS-JAPAN の商品ページを参照
装備の基準として参考にしている JP-SPORT の技術仕様では、レバーの交換は 7-3-11-2 で認められています。調整機構つきへの変更も 7-3-11-3 にあります。ただし 7-3-11-5 が、レバー先端はボール状(直径16mm以上)で、先端部分がレバーと完全に一体であることを求めています。この U-KANAYA はどちらも満たしています。
ボルトは 7-3-26-1 が「公認車両と同じ、または鉄製の材質でなければならない」としていて、ステンレスは鉄の分類に入ります(同規則はブレーキディスクの材質を「鉄(SUS含む)」としています)。
7-3-26-1 は技術仕様に規定のないボルト・ナット類全般に掛かるので、レバーまわり以外を替えるときも同じ材質の条件が及びます(フェアリングとウィンドスクリーンの取付ボルトだけは 7-3-26-2 で別素材が認められています)。パーツごとの扱いは YZF-R3カスタムの規則一覧 にまとめています。
レバーのボルトとナットは、ブレーキ側を 6N·m、クラッチ側を 7N·m で締めます。工具は二面幅 10mm です。ピボットにはベルハンマーゴールド グリース No.2 を塗っています。



手順は2段階です。まず KTC の 9.5sq. コードレスラチェットレンチ(JTRE330)で仮締めし、最後はトルクレンチで本締めします。このラチェットは電動でのトルクが 3N·m なので、そもそも本締めはできません。ボルトを回して持っていくところまでを電動にまかせ、締め切りは手作業で、という分担です。手で回すぶんには 200N·m まで対応するので、緩めるときにも使えます。
トルクレンチは南海部品のもので、トルク範囲は 6〜30N·m(約0.6〜3.0kgf·m)、差込角は 9.5sq. です。
ブレーキ側の 6N·m は、このトルクレンチの下限にあたります。トルクレンチは下限に近いほど精度が出にくいものですが、ここは許容して使っています。
| 用途 | 工具 |
|---|---|
| 仮締め・脱着 | KTC 9.5sq. コードレスラチェットレンチ(JTRE330) |
| 本締め | 南海部品のトルクレンチ(差込角 9.5sq.・トルク範囲 6〜30N·m) |
| ボルト・ナット | 10mm のソケット・コンビネーションレンチ |
| ケーブルのアジャスター | IPS ソフトタッチネオ コンビネーションプライヤー(NH-165) |
※ 工具の仕様は KTC 公式サイトの JTRE330 のページ、IPS 公式サイトの NH-165 のページを参照
クラッチ側は、レバーを外すのにケーブルを緩める必要があります。アジャスターはローレットが切られた部品で、普通のプライヤーで掴むと角が潰れます。そこで使ったのが IPS のソフトタッチネオ(NH-165)です。くわえ部が樹脂のキャップになっていて、滑らずに、しかも傷を付けずに回せます。樹脂を外せば普通のプライヤーとしても使えるものです。


レバーを付けたら、アジャスターを戻してクラッチレバーの遊びをサービスマニュアルの 10.0〜15.0mm に合わせます。
左右とも入れ替えが終わった状態です。


※ クラッチ側は、純正レバーが車体に付いた状態の写真を撮り忘れたため未掲載
実際に転倒を経験していますが、可倒式の機構が働き、レバーは逃げて折れずに済みました。
同じ操作系の記事一覧は YZF-R3カスタム にまとめています。