YAMAHA ZeaL & CBR600RR Motorcycle Garage

ZeaL消耗品の交換サイクル(実走行48,377km)

ZeaL

2001年9月15日の納車(7,733km)から2006年8月28日(56,110km)まで、4年11ヶ月で48,377km を走りました。その間に残した83件の整備記録を、部位ごとに集計したのがこのページです。カタログの推奨値ではなく、1台の ZeaL で実際に交換した距離です。年月日ごとの元記録は My ZeaLメンテナンス履歴 にあります。

先に結論

部位 実際の交換間隔 何で交換を決めていたか
エンジンオイル 中央値 2,000km(1,000〜4,500km) 走行距離
オイルエレメント 約4,000km(オイル2回に1回) 走行距離
タイヤ ツーリング系16,600km/スポーツ系5,700〜7,800km/サーキット系4,800km(いずれもリア) 銘柄の性格。走る目的に合わせて選ぶ
スパークプラグ 集計しない(7,800〜29,010km) エンジンに触った回数。距離は寿命を示さない
ブレーキパッド 集計しない 症状(鳴き)とキャリパー交換のついで
ドライブチェーン 22,361km/13,550km 走行距離
ブレーキフルード 2002・2003・2004年に各1回 年数
バッテリー 2年2ヶ月(9,700km) 年数

※ 集計は走行距離が記録されている整備のみを対象とした。2005年9月と12月のオイル交換は走行距離が同一(53,500km)で記録されているため、間隔の集計から除外している

集計の前提

同じ車両でも、使い方が違えば消耗の速さは変わります。この48,377km は、次のような乗り方の結果です。

つまり後半になるほど負荷の高い使い方をしています。数字を読むときは、この前提を差し引いてください。

エンジンオイルは2,000kmごと

5年間で22回交換しました。有効な20区間の中央値は2,000km、平均は2,215km、最短が1,000km、最長が4,500kmです。3,000kmを超えたのは3区間だけで、うち2つは納車から半年ほどの時期、残る1つは走る機会が減った2005年でした。

オイルエレメントを同時に交換したのは8回で、その間隔の中央値は約4,100km です。オイル交換2回につきエレメント1回、というリズムになっていました。オイル量は通常交換時2,000cm3、エレメント交換時2,200cm3 です(ZeaL主要データ)。

銘柄は YAMAHA エフェロFX が中心で、エフェロ プレミアム、BP Bervis Racing、Castrol Formular RS も使っています。

タイヤは長持ちで選ばず、目的で選ぶ

交換距離だけを並べると、リアタイヤの寿命が16,600km から4,800km まで縮んだように見えます。しかしこれは車両が傷んだからでも、乗り方が乱暴になったからでもありません。履かせたタイヤの性格を、ツーリング向けからサーキット向けへ自分で移していったからです。

次の表は、それぞれのタイヤが「外されるまでに何km 走ったか」で並べています。

外したタイヤ 性格 装着〜交換 寿命
BRIDGESTONE BT45R(リア) ツーリング向けバイアスの定番 8,900 → 25,500km 16,600km
BRIDGESTONE BT39(リア・1本目) スポーツバイアスのスタンダード 25,500 → 33,300km 7,800km
BRIDGESTONE BT39(リア・2本目) 同上 33,300 → 39,000km 5,700km
BRIDGESTONE BT090(リア) サーキットとストリートの両用 39,000 → 43,800km 4,800km
DUNLOP K505F(フロント) オンロードバイアス。新車装着にも使われる耐久重視 8,800 → 21,100km 12,300km
BRIDGESTONE BT39(フロント) スポーツバイアスのスタンダード 25,500 → 39,000km 13,500km

リアで見ると、ツーリング向けの BT45R が16,600km、スポーツ向けの BT39 が7,800km と5,700km、サーキットも視野に入れた BT090 が4,800km です。銘柄の性格ごとに、きれいに階段になっています。グリップを上げれば減りが早くなるのは、劣化ではなく設計どおりの挙動です。

つまり、消耗品の交換距離から意味を引き出すには、銘柄を無視して平均を取ってはいけません。「ZeaL のリアタイヤは平均8,700km もつ」という数字には何の意味もなく、「BT39 なら7,800km」「BT090 なら4,800km」という形にして初めて、同じ目的で走る人の目安になります。

なお、フロントの BT45 は4,400km で BT39 に替えていますが、これは前後を揃えるための交換で、摩耗限界ではありません。同じ理由で、2003年10月の DUNLOP GPR-70SP への前後同時交換も、BT090 が減り切ったからとは言えません。上の表は、寿命として読める区間だけを残しています。

ZeaL の指定サイズはフロント110/70-17、リア140/70-17 です(ZeaL主要データ)。選べる銘柄はけっして多くありません。だからこそ「長持ちする銘柄」を探すのではなく、街乗り中心なのか、ツーリングでワインディングを走るのか、走行会に出るのかを先に決めてから、その目的に合う性格のタイヤを選びます。減りの速さは、そのとき初めて意味を持ちます。

プラグは「イリジウムだから長持ち」ではない

5年間で4本使いました。外したプラグごとに、実際に走った距離を並べます。

外したプラグ 種類 装着〜交換 走った距離
NGK CR8EIX イリジウムIX(片貴金属) 9,700 → 17,500km 7,800km
DENSO IU24 イリジウムパワー 17,500 → 27,100km 9,600km
NGK CR8E 標準(ニッケル) 27,100 → 56,110km 29,010km

いちばん長く使ったのは、いちばん安い標準プラグでした。イリジウムを入れていた時期のほうが短いのです。これは イリジウムプラグが長寿命だという思い込みが、そもそも成り立たないことを示しています。

NGK は「標準プラグとイリジウムIXプラグの交換時期の目安は同じ」と説明しています。長寿命なのは中心電極と外側電極の両方に貴金属を使ったタイプで、CR8EIX のような片貴金属のイリジウムプラグは、一般プラグと寿命が変わりません(NGK スパークプラグ「交換時期、誤解していませんか?」)。デンソーにいたっては、二輪でイリジウムパワーを使う場合の交換目安をカタログ値3,000〜5,000km としています(デンソー 二輪車ユーザー よくあるご質問)。

つまり私の7,800km と9,600km は、すでに推奨を超えています。29,010km にいたっては大幅な超過です。「もった」のではなく、「換えていなかった」だけでした。

では、なぜ前半だけ交換が細かいのか。メインジェットを#95から#130まで振ってキャブレターのセッティングを探していた時期と、そのまま重なります。ジェットを変えるたびにプラグを抜いて焼け具合を見るので、ついでに新品へ替える機会も増えます。セッティングが決まったあとは、プラグを抜く用事そのものがなくなりました。プラグの交換距離は、プラグの寿命ではなく、エンジンに触った回数を映しています。

3本とも熱価は8番相当です(デンソーの24はNGKの8に対応)。ZeaL の指定は NGK CR8E、プラグギャップは0.7〜0.8mm で、イリジウムなら CR8EIX か DENSO IU24 になります(ZeaL主要データ)。イリジウムを選ぶ理由は寿命ではなく、着火性です。

ブレーキパッドも、摩耗では換えていない

2002年7月の交換記録には「パットの減りはそれほどでもなかったが、鳴きがひどかったために交換」と書いています。その後も brembo キャリパーへの交換にともなう交換が続きました。ですからパッドの交換距離は、他の ZeaL 乗りの目安になりません。ここでは数字を出さないでおきます。

タイヤは銘柄の性格で、プラグとパッドは整備の都合で、それぞれ距離が決まっていました。走行距離をそのまま寿命として読めるのは、オイル・エレメント・チェーンの3つだけです。

バッテリーは距離より年数

43,800km(2003年10月5日)で NANKAI の YTX9-BS に交換し、次の交換は53,500km(2005年12月13日)でした。走行距離では9,700km、日数では800日です。バッテリーは走った距離より、置いてある時間で弱ります。形式は YTX9-BS、容量は12V8AH です。

ブレーキフルードも同じく年数で管理していました。2002年11月、2003年10月、2004年9月に Lockheed DOT4 で交換しています。おおむね年1回のペースです。

スプロケットを換えるたび、クラッチハブが削れていた

ドライブチェーンは10,939km で D.I.D.、33,300km で RK GP428RX 130L、46,850km でふたたび RK GP428RX 130L に交換しました。間隔は22,361km と13,550km です。

問題はスプロケットのほうです。リアスプロケットの丁数を、57T → 55T → 57T → 58T → 56T と何度も変えていました。加速寄りにしたり巡航寄りに戻したりを繰り返した結果です。

回数 日付 走行距離 リアスプロケット
1回目 2001年11月18日 10,939km AFAM 13313S-57H
2回目 2003年2月2日 29,200km AFAM 13313-55H
3回目 2003年4月26日 33,300km AFAM 13313-57H
4回目 2003年10月5日 43,800km AFAM 13313-58H

この4回目、2003年10月5日にクラッチハブが破損しました。社外のアルミスプロケットは純正のスタッドボルトを抜いてボルト留めする仕様で、鉄の純正スプロケットを前提にしたスタッドボルトは、繰り返しの脱着に耐えません。脱着のたびにクラッチハブの溝が少しずつ傷み、4回目で限界がきたわけです。顛末と交換部品は クラッチハブ破損 に、部品番号は ZeaL部品番号リスト にまとめています。

丁数を頻繁に試すこと自体は悪くありません。ただし、その代償はチェーンやスプロケットではなく、クラッチハブという奥まった部品に現れます。丁数を決めきってから走り込むほうが、結果として安く済みます。

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