YZF-R3/R25 二次エアキャンセル(ホース2本の撤去)

二次エア(エアインダクションシステム)は、エキゾーストポートが負圧になったときにリードバルブが開き、新気を送り込んで未燃焼の排気ガスを再燃焼させる仕組みです。給排気を変えてサブコンのラピッドバイク EVOでセッティングを出すにあたり、燃調に関わらない空気が排気側へ入る経路をなくしました。

YZF-R3のエアカットバルブ。ホースを外したニップルにキャップを被せ、純正のクリップで留めてある。青いカプラーは接続したまま

撤去したのはホース、ベンド1とホース、ベンド2の2本

経路はエアクリーナーボックスからエアカットバルブアセンブリ、シリンダーヘッドカバーの上にあるリードバルブカバーまでの一本道です。バルブの2つの口は、サービスマニュアルの図でエアーフィルターケースから、リードバルブカバーへ、と示されています。

ホースに届くまでに、フューエルタンクとエアクリーナーボックスを外します(タンク・エアクリーナーボックスの外し方)。

リードバルブカバーは、シリンダーヘッドカバーの凹みに入れたリードバルブプレート2枚とリードバルブアセンブリを、上からボルト2本で押さえるフタです。エアカットバルブから来た空気は、このフタのニップルから入ります。

エアカットバルブは、パーツカタログでエアカットバルブアセンブリ、サービスマニュアルではエアーインダクションシステムソレノイド、またはエアーカットオフバルブと呼ばれます。ECU の信号で開閉する電磁弁で、青いカプラーはそのためのものです。

※ 呼称とバルブの動作は YZF-R25/YZF-R25A/YZF-R3A 統合サービスマニュアルの 7-17〜7-21 ページと電装編 8-151 ページによる

部品名称つないでいる区間留め具
ホース、ベンド2(長いほう)エアクリーナーボックス ⇔ エアカットバルブクリップ 90467-16801 と 90467-16800
ホース、ベンド1(短いほう)エアカットバルブ ⇔ リードバルブカバークリップ 90467-16801 が2個

2本の見分けは留め具で付きます。短いほうは同じ品番のクリップが両端に付き、長いほうは両端で品番が違います。

作業前のYZF-R3のエアカットバルブ。ホースが左と下へ伸び、青いカプラーが接続されている
作業前のエアカットバルブまわり
シリンダーヘッドカバーの上にあるアルミのリードバルブカバーと、そこから右へ向かうホース、ベンド1
リードバルブカバーから出るホース、ベンド1
エアクリーナーボックスの下側へ回り込むホース、ベンド2。右奥にスロットルボディのカプラーが見える
エアクリーナーボックス側へ回るホース、ベンド2
外した2本。左がホース、ベンド2で片端にバンド状のクリップ、右がホース、ベンド1で両端に同じクリップ
右がホース、ベンド1

ホースを抜くと、ニップルが4つ残ります。リードバルブカバーに1つ、エアカットバルブに2つ、エアクリーナーボックスに1つです。

エアカットバルブアセンブリ(1WD-E4840-00)とカプラーは残す

バルブ本体は車体に付けたままにして、青いカプラーも接続したままにしています。エラーコードも警告灯も出ませんでした。

ホースを外した状態。アルミのリードバルブカバーとエアカットバルブのニップルがむき出しになっている
ホースを抜いた直後

4つのニップルをキャップとアルミのフタで塞ぐ

塞ぎ方は2通りです。リードバルブカバーのニップルには、先にアルミのフタを入れた短いホースをかぶせ、ホースバンド2本で締めています。エアカットバルブの2つとエアクリーナーボックスの1つはキャップです。

キャップの留め具は、エアカットバルブの2つが外したホースから抜いた純正のクリップ、エアクリーナーボックスがホースバンドです。キャップは購入先の記録が残っておらず、製品名は分かりません。使っているうちに変色しています。

この日に使った3個。左は先にアルミのフタを入れたホースでバンド2本留め、右の2個はキャップで純正のクリップが掛かっている
左がアルミのフタ入りホース、右2個がキャップ
リードバルブカバーのニップルに、アルミのフタを入れたホースをIDEALのホースバンド2本で締めた状態。右のエアカットバルブにはキャップが2個付いている
左はホースとフタ、右のエアカットバルブはキャップ

エアクリーナーボックス側は KSPP エアファンネルと同時に

ボックス側のニップルは、ボックスを車体から外さないと手が入りません。エアファンネル(KSPP)とエアフィルターでボックスを外す作業と一緒に塞いでいます。

車体から外したエアクリーナーボックス。側面のニップルにキャップを被せ、ホースバンドで締めてある
作業台に置いたボックス。バンドで締めた状態

YZF-R25 との品番差はホース、ベンド2の末尾だけ

純正パーツカタログで引くと、8点のうち7点が同一品番でした。

部品名称YZF-R25(2YD1)YZF-R3(2YPG)
エアカットバルブアセンブリ1WD-E4840-001WD-E4840-00
ホース、ベンド11WD-E4881-001WD-E4881-00
ホース、ベンド21WD-E4882-001WD-E4882-01
リードバルブアセンブリ1WD-E4890-001WD-E4890-00
リードバルブカバー1WD-E4899-001WD-E4899-00
ボルト(リードバルブカバー用・2本)91312-0602091312-06020
クリップ(ホース、ベンド1用・2個)90467-1680190467-16801
クリップ(ホース、ベンド2用・各1個)90467-16801/90467-1680090467-16801/90467-16800

※ 品番は純正パーツカタログ(YZF-R25 2YD1・YZF-R3 2YPG、日本語版は YZF-R3A/YZF-R3 ABS)による

分かれるのはホース、ベンド2だけで、末尾が -00 と -01 になります。ほかの部位の品番差は YZF-R25 と YZF-R3 の違いにまとめています。

使った工具

使った工具。Weraのプラスドライバー、KNIPEXのホースクリップ用プライヤーとエレクトロニクススーパーニッパー
使った工具一式

純正のクリップはスプリング式で、つかんだ位置で開いたまま保持できるプライヤーがないと外れません。ドライバーはホースバンドのねじ用です。

JP-SPORT技術仕様に二次エアの条文はない

装備の基準にしている MFJ 国内競技規則 2026 付則11「JP-SPORT技術仕様」を全文で当たりましたが、エアインダクションと二次空気について書かれた条文はありませんでした。

関係するのはエアクリーナーボックス側の扱いです。7-3-29-1-6 は YZF-R3 を名指しして、ラム圧の追加とエアクリーナーボックスの改造を禁じています。

ほかの部品に条文がどう当たるかは YZF-R3カスタムの規則一覧と吸気・燃調・点火系の記事一覧にまとめています。

※ 7-3-29-1-6 は MFJ 国内競技規則 2026 付則11 JP-SPORT技術仕様(PDF)による